精選版 日本国語大辞典 「異・殊」の意味・読み・例文・類語
こと【異・殊】
[1] 〘形動〙
① 他と同じでないさま。相違しているさま。比較の対象を「に」で示す。→ことなる。
※日葡辞書(1603‐04)「シラハタノ カゼニ ナビクワ タダ ハクウンニ cotonarazu(コトナラズ)」
② 他と一段と相違するさま。世の常でないさま。→ことに。
(イ) きわだっているさま。とりたてて言うべきさま。格別。特別。
※蜻蛉(974頃)下「このごろ、ことなることなし」
(ロ) 他とくらべて一きわすぐれているさま。比較の対象を「より」「に」で示す。
※天台大師和讚(10C後‐11C前)「嬰児の間の瑞想も 人より異(コト)に御座て」
※蜻蛉(974頃)上「細かりつるかたのあしにも、ことのこひをも削りつけて」
[3] 〘接頭〙 名詞などの上に付いて、別の、他の、などの意味をそえる。「格別」の意を含む場合もある。
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