病む(読み)ヤム

デジタル大辞泉 「病む」の意味・読み・例文・類語

や・む【病む】

[動マ五(四)]
病気になる。わずらう。「久しく―・んでいる」
傷などが痛む。
「私も、何様なに―・んだろうと思ってね」〈小杉天外魔風恋風
病気におかされる。「胸を―・む」「リューマチを―・む」
心をなやます。心配する。「ささいなことを気に―・む」
[類語]患う罹る寝つく病を得る重るこじれるこじらせる発病発症罹病罹患

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「病む」の意味・読み・例文・類語

や・む【病】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 病気にかかる。気分が悪くなる。わずらう。
      1. [初出の実例]「古人の賜へしめたる吉備の酒病(やま)ばすべなし貫簀賜らむ」(出典:万葉集(8C後)四・五五四)
      2. 「旅に病て夢は枯野をかけ廻る〈芭蕉〉」(出典:俳諧・芭蕉翁追善之日記(1694))
    2. 精神的に苦しむ。心に悩む。
      1. [初出の実例]「恋ふれかも 胸の病(やみ)たる 思へかも 心の痛き あが恋ぞ」(出典:万葉集(8C後)一三・三三二九)
    3. 傷などが、痛む。
      1. [初出の実例]「其後、しばしは此疵のあとやむ由して、うちふしてのみすぐしけり」(出典:古今著聞集(1254)一六)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 病気におかされる。
      1. [初出の実例]「陽(いつは)りて其(そ)の腹(はら)を患(ヤム)まねにして退りて在後(おくれ)たり」(出典:日本書紀(720)雄略八年二月(前田本訓))
      2. 「おととひより、腹をやみていとわりなければ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)空蝉)
    2. 物事をひどく気にかける。心配する。思いわずらう。
      1. [初出の実例]「世話をやんでやみ死の、母様の恩をはや忘れ」(出典:浄瑠璃・生玉心中(1715か)上)

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