重る(読み)オモル

デジタル大辞泉 「重る」の意味・読み・例文・類語

おも・る【重る】

[動ラ五(四)]
病気が重くなる。
「この山の上で夫の病気が―・りでもしたら」〈藤村破戒
目方が重くなる。
「そま山のこずゑに―・る雪折れに」〈新古今・雑上〉
[類語]病む患う罹る寝つく病を得るこじれるこじらせる発病発症罹病罹患

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「重る」の意味・読み・例文・類語

おも・る【重】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 重量が増す。重くなる。
    1. [初出の実例]「風くらき本あらの小萩袖に見て更けゆく夜半におもる白露〈藤原家隆〉」(出典:六百番歌合(1193頃)恋二)
  3. (病気や悩みが)重くなる。重態になる。
    1. [初出の実例]「天皇、病彌留(オモリ)大殿に崩(かむあが)りましぬ」(出典日本書紀(720)敏達一四年八月(前田本訓))
  4. 疲労などで)からだが自由に動かなくなる。
    1. [初出の実例]「過度の馳騖(ちぶ)に疲れ果てたる馬は、〈略〉策(う)てども走れども、足は重(オモ)りて地を離れかねたりき」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android