古人(読み)イニシエビト

デジタル大辞泉の解説

いにしえ‐びと〔いにしへ‐〕【古人】

昔の世の人。古人(こじん)。
「―の心なほく、詞みやびやかに」〈歌意考〉
前に親しくしていた人。昔なじみ。旧知。
「眉根(まよね)掻き下いふかしみ思へるに―をあひ見つるかも」〈・二六一四〉

こ‐じん【古人】

昔の。また、のすぐれた人。「古人の教えに学ぶ」⇔今人(こんじん)

ふる‐ひと【古人/故人/旧人】

《「ふるびと」とも》
昔の人。すでに死んだ人。こじん。
「妹らがり今木の嶺(みね)に茂り立つ夫(つま)松の木は―見けむ」〈・一七九五〉
年をとった人。老人。
「―は涙もとどめあへず」〈・明石〉
古くからいる人。古参の人。
「右近は、何の人数ならねど…―の数に仕うまつり馴れたり」〈・玉鬘〉
昔なじみの人。
「かげろふのそれかあらぬか春雨の―なれば袖ぞぬれぬる」〈古今・恋四〉
昔風の考えの人。古風な人。
「あやしき―にこそあれ。かく物づつみしたる人は」〈・行幸〉

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大辞林 第三版の解説

いにしえびと【古人】

昔の世の人。
昔なじみ。旧知。 「 -を相見つるかも/万葉集 2614
昔、連れ添った人。 「わらはが-にて候/謡曲・蘆刈」

こじん【古人】

昔の人。 ⇔ 今人こんじん
[句項目] 古人の糟粕

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いにしえ‐びと いにしへ‥【古人】

〘名〙
① 昔の世の人。古人。また、特に上代の人。いにしえのひと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 古くから親しくしていた人。昔なじみや昔のつれあい。
※万葉(8C後)一一・二六一四「眉(まよ)ねかき下いふかしみ思へるに去家人(いにしへびと)をあひ見つるかも」
③ 古風な人。いにしえのひと。

こ‐じん【古人】

〘名〙
① 昔の人。いにしえの人。また、昔のすぐれた人。
※続日本紀‐天平宝字元年(757)八月甲午「古人有言。損有余不足。天之道也」
俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立「日々旅にして旅を栖(すみか)とす。古人も多く旅に死せるあり」 〔詩経‐邶風・緑衣〕
② 年老いた人。老人。故人
※謡曲・養老(1430頃)「古人眠り早く覚めて、夢は六十歳の花に過ぎ」
③ 昔かたぎの人。昔もの。
※随筆・戴恩記(1644頃)下「又此紹巴法橋かたりくおほき人にて、あしくいふ事もあれども、さすが古人にて、殊勝のこころ持給へり」
※文華秀麗集(818)上・和渤海大使見寄之作〈坂上今継〉「一面相逢如旧識、交情自与古人斉」
※俳諧・夜半楽(1777)春風馬堤曲「君不見古人太祇か句 藪入の寝るやひとりの親の側」

ふるき【古】 人(ひと)

(「古人(こじん)」の訓読み)
① 昔の人。こじん。いにしえびと。
※書紀(720)欽明二年七月(北野本訓)「古人(フルキヒト)の云(いは)く追悔(をいくゆ)れども及(をよ)ぶこと無しと云へるは此(こ)の謂(い)ひなり」
② 年をとった人。老練な人。また、知識や経験の豊かな人。
※平家(13C前)三「今はふるき人とては成頼・親範ばかり也」

ふるめき‐びと【古人】

〘名〙 古風な人。昔かたぎの人。
※源氏(1001‐14頃)蓬生「世になきふるめき人にて」

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