(読み)ハイ

デジタル大辞泉 「癈」の意味・読み・例文・類語

はい【癈】[漢字項目]

[音]ハイ(漢)
からだがだめになる。不治の病。「癈疾癈人癈兵

しい〔しひ〕【×癈】

からだの器官が働きを失うこと。また、その人。
松反まつがへり―にてあれかもさ山田のをぢがその日に求めあはずけむ」〈・四〇一四〉

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精選版 日本国語大辞典 「癈」の意味・読み・例文・類語

しいしひ【癈】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しう(癈)」の連用形名詞化 ) 感覚を失うこと。器官のはたらきを失うこと。
    1. [初出の実例]「松反(がへ)り之比(シヒ)にてあれかもさ山田の翁(をぢ)が其の日に求め逢はずけむ」(出典万葉集(8C後)一七・四〇一四)

癈の補助注記

「あきじい(精盲)」「しいね(瘤)」「みみしい(聾)」「めしい(盲)」など、複合した形でも用いられる。

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普及版 字通 「癈」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] ハイ
[字訓] すたる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は發(発)(はつ)。〔説文七下に「固なり」とあり、痼疾をいう。癈は廢(廃)(はい)の声義を用いるもので、廢は廃屋。宮が廃棄されて、廃滅することをいう。これを人の身に及ぼして、その機能の廃損することを癈という。〔礼記、礼運〕に、天下の窮民として、矜(鰥)寡(かんか)孤独とともに、癈疾の人を加えている。

[訓義]
1. すたる、不治の病、固病。
2. 廃と通じ、役立たぬ。

[古辞書の訓]
名義抄〕癈 ヤム・スツ・ヤマヒ・ヒサシ・スタル・ヤブル

[熟語]
癈痼・癈疾癈老

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