日本歴史地名大系 「百間窯跡群」の解説 百間窯跡群ひやつけんようせきぐん 佐賀県:杵島郡山内町立野川内村百間窯跡群[現在地名]山内町大字宮野字板ノ川内立野川内(たてのかわち)村の西端で標高三五二メートルの金山(かなやま)岳とその隣の山に挟まれた谷あいにある。金山岳の東の舌状部に空山(そらやま)・檀場切(だんばぎり)・窯の辻(かまのつじ)・百間窯があり、百間窯と総称している。燃料の樹木は豊富であり、谷間には相当量の水が流れている。金山岳の中腹からは良質の粘土が産出されていて、築窯の初期には陶器が作られていたが、まもなく磁器の焼成を始めている。磁器の創成期で、有田泉山(いずみやま)で磁器の原料である磁石鉱が発見された頃である。板(いた)ノ川内(こうち)から泉山の磁石採掘場までは約一キロの距離。築窯と廃窯の時期は不明であるが、物原(捨場)の残欠から天正年間(一五七三―九二)と推定されている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by