普及版 字通 「皐(漢字)」の読み・字形・画数・意味
皐
人名用漢字 11画
(異体字)皋
10画
[字訓] しろい・さわ・たかい・ああ
[説文解字]
[字形] 象形
皐を人名用漢字として用いるが、字形としては皋に作るのがよい。皋は風雨にさらされている獣屍の形。〔説文〕十下に「气(き)、皋白なるもののむなり」とし、字を白と夲(とう)とに従う会意字とするが、白は頭部、下は肢体の形。〔詩、小雅、鶴鳴〕「鶴、九皋に鳴く」の〔毛伝〕に「澤なり」、また〔楚辞、離騒〕「余が馬を皋にます」の〔王逸注〕に「澤曲を皋と曰ふ」とみえる。〔説文〕のいう「皋白の气」とは皋沢の気をいうのであろうが、字の正義でなく、皋白とは獣屍が暴露して白くさらされることをいう。また〔儀礼、士喪礼〕に、死後の復の儀礼をしるし、屋上に升って「皋(ああ)、某復(かへ)れ」と三たびよぶ礼をしるす。その叫ぶ声を示す擬声語である。(こう)字条十下に「大白澤なり。~古以て澤の字と爲す」とするが、これもおそらく皋の異文で、獣屍の象。風雨にさらされた獣屍には白の意があり、(覇)の初文であるは、獣屍が雨風に暴露して、革が脱色したことを示す意の字である。
[訓義]
1. しろい、色が抜ける。
2. さわ、白光りするさわ、たちこめる。
3. 水ぎわ、きし、水田。
4. 高と通じ、たかい、すすむ。
5. ああ、擬声語で神霊などをよぶ声。号と通じ、よぶ。
6. 皋月は五月。
7. 咎と通じ、とがめ、つみ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕皋 サハ
[声系]
皋・kは同声。(皓)・hu、皎・ky、・鶴hkはいずれも声義に通ずるところがあり、白くあざやかなものをいう。一系の語とみてよい。
[熟語]
皋禽▶・皋鼓▶・皋皋▶・皋濕▶・皋如▶・皋壌▶・皋叢▶・皋沢▶・皋比▶・皋皮▶・皋毘▶・皋圃▶・皋揺▶・皋蘭▶・皋陸▶・皋▶・皋牢▶
[下接語]
寒皋・九皋・江皋・隰皋・神皋・沢皋・東皋・鳴皋・蘭皋
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報