盛懋(読み)せいぼう(その他表記)Shèng Mào

改訂新版 世界大百科事典 「盛懋」の意味・わかりやすい解説

盛懋 (せいぼう)
Shèng Mào

中国,元の職業画家生没年不明。字は子昭。浙江省嘉興の人。父の盛洪の画風を継承し,また南宋末の画院画家陳珏の子で趙孟頫(ちようもうふ)の門人でもあった陳琳に学び,のち画法を変え山水,人物,花鳥画巧緻にすぎると評されるほど卓絶した技量を示したといわれる。現存作品には南宋院体画様式や趙孟頫と元初の文人による復古主義の影響がみられるが,とくに山水画には同郷の呉鎮などの元代の董源・巨然派の筆墨法と共通するものがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「盛懋」の意味・わかりやすい解説

盛懋
せいぼう
Sheng Mao

中国,元の職業画家。嘉興 (浙江省) の人。字は子昭。父洪の跡を継ぎ,初め南宋の画院待詔陳かくの子,琳の画風を学び,また趙孟 頫 (ちょうもうふ) の影響を受けた。山水・人物・花鳥画をよくし,明代の院派浙派 (せっぱ) ,呉派の画家に大きな影響を与えた。代表作『山居納涼図』 (ネルソン・ギャラリー) 。

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