目釘(読み)メクギ

デジタル大辞泉 「目釘」の意味・読み・例文・類語

め‐くぎ【目×釘】

刀身つかから抜けるのを防ぐため、なかごの穴と柄の表面の穴とにさし通す釘。竹・銅などを用いる。目貫めぬき

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精選版 日本国語大辞典 「目釘」の意味・読み・例文・類語

め‐くぎ【目釘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 刀や槍の中子(なかご)の穴に柄の表から挿し通して、刀身の抜けるのを防ぐための釘。竹または銅の釘を用いる。目貫(めぬき)
    1. [初出の実例]「むかふ敵あらば、太刀のめくぎのこらへん程は、命こそかぎりなれ」(出典:曾我物語(南北朝頃)九)
    2. 「ある人戦場にて鑓の目釘のぬけてなかりしを、〈略〉虎落竹を切り、目釘にせしとそ」(出典:備前老人物語(17C前か))
  3. 鉄砲銃身・筒を銃床に固着するねじ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 相手をくぎづけにするような険しい眼差しの形容
    1. [初出の実例]「長い優しげな睫毛も、少しも柔らげない、肉喰鳥のやうな眼が、再び少女に目釘を刺す」(出典:或殺人(1962)〈森茉莉〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「目釘」の意味・わかりやすい解説

目釘
めくぎ

刀剣の茎(なかご)(柄(つか)に収まる部分)が柄から抜けないように、柄から茎孔(あな)へ通すもの。本来は目貫(めぬき)と同一であったが、目貫が単に装飾的なものになり、別に目釘がつけられるようになった。俗説では蛞蝓(なめくじ)を干したものがもっとも折れにくいといわれるが、竹でつくるのが一般的で、金属製もある。

[小笠原信夫]

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世界大百科事典(旧版)内の目釘の言及

【日本刀】より

…これは原則として刀を身につけた場合に,外側,すなわち表側となるほうに切る。なかごには目釘(めくぎ)(柄となかごを固定させるための小さい棒状のもの)を通す穴(目釘穴)をあけ,また鑢目(やすりめ)をつける。これには〈筋違(すじかい)〉〈檜垣(ひがき)〉〈鷹の羽(たかのは)〉や〈切(きり)〉(または横ともいう)などがある。…

※「目釘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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