真向(読み)まっこう

精選版 日本国語大辞典の解説

まっ‐こう ‥カウ【真向・真甲カフ

〘名〙 (「まっこう(抹額)」と同源で、「真向」「真甲」はあて字か)
① 額(ひたい)のまんなか。
曾我物語(南北朝頃)九「臼杵八郎おしよせ、五郎にわたりあひ、まっかうわられて、うせにけり」
② 兜(かぶと)の鉢の前面部。
※芸大本平家(13C前)九「痛手なれば、まっかうを馬のかしらに当てうつぶし給へる処に」
③ 真正面。正面。ま向き。表。
※曾我物語(南北朝頃)九「紅(あけ)にそまはりたる友切、まっこうにさしかざし」
※憲法講話(1967)〈宮沢俊義〉一一「自由主義政治体制に真向から反対するソ連や」

ま‐むかい ‥むかひ【真向】

〘名〙 正しく向かうこと。また、その方面。真正面。まむき。まむかえ。〔羅葡日辞書(1595)〕
※雁(1911‐13)〈森鴎外〉一「東京大学の鉄門の真向(マムカ)ひにあった、上条と云ふ下宿屋」

ま‐むき【真向】

〘名〙
① 正しく向かうこと。まっすぐに向かうこと。正しい方向に向くこと。まっすぐに向くこと。また、その向き。正面。
※兵範記‐仁平二年(1152)四月一一日「次起座経本路着御沓、立真向座有揖」
② 船の船尾正面全体の呼称。真艫全体をいうもの。〔和漢船用集(1766)〕

ま‐むこう ‥むかふ【真向】

〘名〙
① まっすぐの方向。真正面。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「見たいと思ふ人の正面(マムカウ)に坐るなの格言の通り」
② 馬の額から鼻面(はなづら)にかけての部分。
説経節・おぐり判官(1675)二「よき馬のきつそうや。おつさ、まむかふ、〈略〉よめのふしつくり付たる如く也」

めっ‐こう ‥カウ【真向】

〘名〙 「まっこう(真向)」の変化した語。
※浄瑠璃・長町女腹切(1712頃)中「金でした小判と云物近附になってをけと、めっかうに投げつくる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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