… なお,南北朝~室町期には律宗の衰退にともない,このような仏教者による慈善事業はおもに禅僧と時衆によって担われるようになった。乞者に食を給した下野興禅寺の真空妙応(?‐1351),1363年(正平18∥貞治2)の阿波国の飢饉に際して貧人乞者に粥を施した春屋妙葩(しゆんおくみようは),財を捨てて癩者を沐浴させた遠江方広寺の無文元選(1323‐90),1461年(寛正2)の飢饉・疫病に際して,六角堂の前に大釜を置いて粥を炊き,飢者に施行した勧進聖願阿弥(生没年未詳)などがその例である。とくに寛正の飢饉に際しての時衆の願阿弥の活動には注目すべきものがあるが,総じて,中世における慈善事業の系統的な遂行者としては,鎌倉後期の律僧の非人救済運動をもって一つの画期とするべきである。…
※「真空妙応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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