衣服を身につけたまま水に浮き、浮きながら移動する方法。着衣水泳ともいう。あやまって水に落ち、おぼれてしまう事故の多くは、衣服を着ている状態で起こることが多い。水中では衣服によって身体の動きが制限されて泳ぐことが困難になり、泳力に優れた者でもおぼれる場合が少なくない。このような不慮の事故への対処方法として、1990年代から小学校の授業などで浮くことを重視した着衣泳の指導が行われるようになっている。
着衣泳の指導では、水に濡れたときの衣服の状態や動きにくさを知り、着衣や持ち物に備わっている浮力の助けを借りながら水に浮く方法を、ビート板やペットボトルを使いながら学ぶことが重視されている。また、水難事故では、ときに水泳で学ぶ常識とは逆の知識が要求されるケースもある。たとえば、おぼれたときは、身体を動きやすくするために服や靴を脱ぐのではなく、あおむけになって背中を丸くして沈め、履いた靴にある浮力を生かして、顔と足を浮かせた背浮きの状態で助けを待つほうが有効となる場合もある。また、長袖や長ズボンの着装状態はたいへん泳ぎにくいものであるが、水中にいる時間が長い場合には、厚手の上着が体温の低下を防ぐ重要な助けになるなど、着衣泳ならではのポイントがある。
[編集部]
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