精選版 日本国語大辞典 「長袖」の意味・読み・例文・類語
なが‐そで【長袖】
〘名〙
※西源院本太平記(14C後)二一「庭尉、〈略〉はや例の長袖垂たる俎(まないた)烏帽子よと云ひ」
③ (武士が鎧(よろい)を着るとき袖括(そでぐくり)をして衣服の袖を短くするのに対して、常に袖の長い衣服を着るところから) 公家、僧侶、神官、学者、医師などをいうことば。あざけりの気持をこめていうことが多い。ちょうしゅう。長袖者(ちょうしゅうしゃ)。
※天草本平家(1592)一「ワレ ワ nagasode(ナガソデ) ノ ミデモ ナシ」
④ (袖の長い長着を日常に用いるところからいうか) 町人のこと。
※浮世草子・武道伝来記(1687)三「是程に名を得し男達もさすが長袖(ナガソデ)のわりなく」
※二篇おどけむりもんどう(1818‐30頃か)「通例の小袖を長袖とはいかに」
ちょう‐しゅう チャウシウ【長袖】
〘名〙
① ながいそで。また、その着物。ながそで。〔張衡‐西京賦〕
② ながそでを着た人。舞妓など。
③ 公家または、僧侶の異称。また、それらをあざけっていう語。長袖者。
※大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)一〇月七日「当方候人以外之長袖不レ応二当世儀一之旨、及二寺門沙汰一云々」
④ 江戸時代、江戸吉原遊里の振袖新造をしゃれていう。
※洒落本・繁千話(1790)「『長袖を揚てもらひてへ』『ハイちゃうしうさんと申す女郎衆はござりません』『おきゃアがれ振袖新造の事ヨ』」
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