精選版 日本国語大辞典 「睡蓮科」の意味・読み・例文・類語
すいれん‐か‥クヮ【睡蓮科】
- 〘 名詞 〙 双子葉植物の科名。世界に八属約一〇〇種あり、熱帯および温帯の池や沼の比較的浅い所に生育する地下茎のある草本。葉身は楯状、馬蹄状など。また浮葉と沈水葉の別があり、いずれも長柄がある。花は両性で長い花柄の先に単生し、水上に出て開花して芳香がある。萼(がく)は三~六個で離生、または合着。花弁は三ないし多数が離生するか、または瓦状で雄しべに移行する。雄しべは多数。八、または多数の心皮から子房ができ、多室か肥大した花床の中に多数のくぼみを作り、一ないし多数の胚珠がある。果実は裂開しない。この仲間のハスは地下茎を食用にし、またジュンサイの若芽は粘質物に包まれていて、吸物に入れて食する。維管束が組織内に散在し、解剖学的知見から単子葉植物との類縁が推測されていて、この点を強調するとジュンサイ属などは心皮が離生することからも独立の一科として扱うのがよいとの説がある。また、心皮の離生の様子と子房の位置からジュンサイ亜科、ハス亜科、スイレン亜科の三亜科として系統分類に反映させる説、さらにまた、スイレン亜科に相当する群からオニバス属とオオオニバス属を独立させ、それぞれの群をジュンサイ科、ハス科、スイレン科、オニバス科など五つの科とする説もある。じゅんさい科。はす科。ひつじぐさ科。