睨める(読み)ネメル

デジタル大辞泉 「睨める」の意味・読み・例文・類語

ね・める【×睨める】

[動マ下一][文]ね・む[マ下二]
にらむ。
まなこき出し、まじろぎもせでぐいと―・めしが」〈露伴五重塔
警戒して目を付ける。また、憎しみでいきどおる。
「そんな了簡方だから課長さんにも―・められたんだ」〈二葉亭浮雲
「―・めつつ、見かへり見かへりにらみけり」〈著聞集一六

にら・める【×睨める】

[動マ下一]睨む」に同じ。
「横眼で津田の顔を―・めるように見ながら」〈漱石明暗

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精選版 日本国語大辞典 「睨める」の意味・読み・例文・類語

ね・める【睨】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ね・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. にらむ。
    1. [初出の実例]「後あはざらんやはとねめずばこそ、腹の立ほど、かくしつるとも思はめ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)九)
    2. 「時行取って引きもどしはったとねめ」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)三)
  3. 敵または憎むべき相手として、憎み、いきどおる。また、好ましくない人物として看視したり警戒したりする。
    1. [初出の実例]「『おやまきの聖覚や。ははまきの聖覚や』など、ねめつつ見かへり見かへりにらみけり」(出典:古今著聞集(1254)一六)

にら・める【睨】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙にらむ(睨)
    1. [初出の実例]「六十四眼の睚眦とにらめる光、熱鉄ほとばしるに似たり」(出典:海道記(1223頃)東国にさまよひ行く子)

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