石弾き(読み)イシハジキ

デジタル大辞泉 「石弾き」の意味・読み・例文・類語

いし‐はじき【石弾き】

石弓1㋐」に同じ。
遊戯の一。互いに盤の上に碁石を並べ、指ではじいて、相手の石に当てて取り合う。→弾棋だんぎ
男女かた分きて、―も給ふ」〈宇津保・祭の使〉

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精選版 日本国語大辞典 「石弾き」の意味・読み・例文・類語

いし‐はじき【石弾・抛石・

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上代の武器の一種。城壁やがけの上に装置し、木や綱で留めた石を弾き飛ばして敵を殺傷するようにした仕掛け。石弓。
    1. 石弾<b>①</b>〈海国兵談〉
      石弾海国兵談
    2. [初出の実例]「故(かれ)俘虜(とりこ)貞公、普通二人と鼓吹、弩、抛石(イシハシキ)の類(たぐひ)十物(とくさ)、并せて土物(くにつもの)、駱駝一疋とを貢献(たてまつ)る」(出典:日本書紀(720)推古二六年八月(岩崎本訓))
  3. 遊戯の一種。現在のおはじき前身。盤の上などに碁石または碁石大の小石を並べ、指先でその石をはじいて相手の石に当てて取り、勝負を争うもの。弾棊(だんき)。おはじき。
    1. [初出の実例]「弾碁(イシハシキ)し、六愽(すくろくう)ち、拍毬(まりこ)え、擲石(いしなけ)し」(出典:五島本梵網経平安中期点(950頃))

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世界大百科事典(旧版)内の石弾きの言及

【お弾き】より

…全国各地から収集された別称は250余に及ぶが,これは遊具である〈はじき〉そのものの変化と,それにともなって遊び方が多様化されたことによる。《倭名類聚抄》に〈弾碁〉,《箋注倭名類聚抄》に〈弾棊……以之波自岐蓋是〉とあり,遊び方としては,《宇津保物語》に〈石はじきシ給フ〉,《徒然草》に〈石をたててはじくに〉とあるように,平安・鎌倉期には〈石はじき〉と呼んでいた。ここにいう石はじき遊びは,上流階級の人々によって行われた弾棊(だんぎ∥だき)盤を使っての盤上遊戯で,遊具,遊び方を多少異にするが,石をはじき当てることに変りはなく,おはじき遊びの一種である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」