鼓吹(読み)クスイ

  • ▽鼓吹
  • こすい

デジタル大辞泉の解説

鉦鼓(しょうこ)を主楽器とする、古代軍用の楽。
鼓を打ったり笛を吹いたりすること。こすい。
鼓吹司」の
[名](スル)《鼓(つづみ)を打ち、笛を吹く意から》
元気づけ、励ますこと。鼓舞。「士気を鼓吹する」
意見や思想を盛んに唱えて、広く賛成を得ようとすること。「民主主義を鼓吹する」

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大辞林 第三版の解説

奈良時代の、鉦鼓・笛を主楽器とする軍用の音楽。また、その楽器。つづみふえ。
鼓や笛を奏すること。楽器を奏すること。こてき。
スル
太鼓をたたき、笛を吹く意から
励まし、元気づけること。鼓舞。 ハイカラ空気を一洗する為め大に蛮勇を-する必要がある/社会百面相 魯庵
意見を盛んに主張し、他人を共鳴させようとすること。 写生文を-する吾輩でも/吾輩は猫である 漱石

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (「鼓」は鉦鼓、「吹」は大角小角(笛)の意) 奈良時代の、軍用音楽、また楽器。儀式、葬式などに用いられた。つづみふえ。
※続日本紀‐霊亀元年(715)正月甲申「其儀、朱雀門左右、陳列鼓吹騎兵
② (━する) 楽器を鳴らすこと。
※読本・忠臣水滸伝(1799‐1801)後「鼓吹(クスヰ)囂囂(けうけう)として耳に響く」
〘名〙
① つづみを打ち、笛を吹くこと。また、つづみと笛。くすい。
※筑波問答(1357‐72頃)「霞がくれの水の面は、げに両部の鼓吹とも聞きなしつべし」 〔漢書‐叙伝上〕
② 元気づけ、はげますこと。勇気づけること。鼓舞。
※俳諧・新花摘(1784)「とかくして月並の俳席をもふけ、西に東に奔走して鼓吹しければ」 〔世説新語‐上・文学〕
③ 意見や思想を盛んに主張して、相手に共鳴させようとすること。ひろく宣伝すること。ふきこむこと。
※所謂社会小説(1898)〈金子筑水〉「現在の社会に何等かの精神を鼓吹する作を出だすべし」

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世界大百科事典内の鼓吹の言及

【軍楽隊】より

…使用された楽器は,直管(トランペット系)と円錐管(ホルン,ホラガイ系)の金管楽器と,各種の打楽器などで,ギリシアでは笛のたぐいも用いられていた。また中国では漢代に〈鼓吹〉〈横吹〉と呼ばれる軍楽があり,それをつかさどる役所として鼓吹署が置かれた。使用された楽器は金,鼓,螺,角のたぐいである。…

【行進曲】より

… 18世紀にトルコの軍楽が行進曲の歴史を大きく変えたように,東洋にも行進曲に類したものはある。中国の軍楽である鼓吹(こすい)は日本にも導入され,律令などの記事によれば兵部省には鼓吹司(つづみふえのつかさ)があった。しかし詳細は明らかでなく伝承もとだえており,日本での行進曲の伝統は明治維新の洋楽移入をもって始まると考えるべきであろう。…

※「鼓吹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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