デジタル大辞泉
「鼓吹」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こ‐すい【鼓吹】
- 〘 名詞 〙
- ① つづみを打ち、笛を吹くこと。また、つづみと笛。くすい。
- [初出の実例]「霞がくれの水の面は、げに両部の鼓吹とも聞きなしつべし」(出典:筑波問答(1357‐72頃))
- [その他の文献]〔漢書‐叙伝上〕
- ② 元気づけ、はげますこと。勇気づけること。鼓舞。
- [初出の実例]「とかくして月並の俳席をもふけ、西に東に奔走して鼓吹しければ」(出典:俳諧・新花摘(1784))
- [その他の文献]〔世説新語‐上・文学〕
- ③ 意見や思想を盛んに主張して、相手に共鳴させようとすること。ひろく宣伝すること。ふきこむこと。
- [初出の実例]「現在の社会に何等かの精神を鼓吹する作を出だすべし」(出典:所謂社会小説(1898)〈金子筑水〉)
く‐すい【鼓吹】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「鼓」は鉦鼓、「吹」は大角小角(笛)の意 ) 奈良時代の、軍用音楽、また楽器。儀式、葬式などに用いられた。つづみふえ。
- [初出の実例]「其儀、朱雀門左右、陳二列鼓吹騎兵一」(出典:続日本紀‐霊亀元年(715)正月甲申)
- ② ( ━する ) 楽器を鳴らすこと。
- [初出の実例]「鼓吹(クスヰ)囂囂(けうけう)として耳に響く」(出典:読本・忠臣水滸伝(1799‐1801)後)
- ③ =くすいし(鼓吹司)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「鼓吹」の読み・字形・画数・意味
【鼓吹】こすい
軍楽。もと北方族の楽。短簫鐃歌(たんしようどうか)ともいう。また、つづみと笛。よく知らせる。激励する。鼓舞する。〔後漢書、安帝紀〕太僕に詔し、少府に、
門鼓吹を減らして、以て
林士を補はしむ。字通「鼓」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の鼓吹の言及
【軍楽隊】より
…使用された楽器は,直管(トランペット系)と円錐管(ホルン,ホラガイ系)の金管楽器と,各種の打楽器などで,ギリシアでは笛のたぐいも用いられていた。また中国では漢代に〈鼓吹〉〈横吹〉と呼ばれる軍楽があり,それをつかさどる役所として鼓吹署が置かれた。使用された楽器は金,鼓,螺,角のたぐいである。…
【行進曲】より
… 18世紀にトルコの軍楽が行進曲の歴史を大きく変えたように,東洋にも行進曲に類したものはある。中国の軍楽である鼓吹(こすい)は日本にも導入され,律令などの記事によれば兵部省には鼓吹司(つづみふえのつかさ)があった。しかし詳細は明らかでなく伝承もとだえており,日本での行進曲の伝統は明治維新の洋楽移入をもって始まると考えるべきであろう。…
※「鼓吹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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