日本大百科全書(ニッポニカ) 「石油石炭税」の意味・わかりやすい解説
石油石炭税
せきゆせきたんぜい
国税の間接税の一つ。課税物件は、原油、石油ガス、輸入石油製品および石炭である。1978年(昭和53)施行の石油税法が2003年(平成15)に石油石炭税へと名称変更されるとともに、新たに石炭に対して課税され、液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)に対する税率が引き上げられた。
納税義務者は、国産の場合は採取者、輸入の場合は保税地域からの引取者であり、いずれの場合も申告納付である。石油石炭税の課税標準は、その採取場から移出した原油、ガス状炭化水素もしくは石炭、または保税地域から引き取る原油等の数量である。政令で定める石油製品またはガス状炭化水素に係る数量は、それぞれその重量または容量を基礎として政令で定める方法により計算した数量による。石油石炭税は従量税であり、税率は「原油及び輸入石油製品」に対しては1キロリットル当り2040円、輸入液化石油ガスは1トン当り1080円、国産および輸入天然ガスは1トン当り1080円、石炭は1トン当り700円が課税される(いずれも2009年現在)。
石油石炭税の収入額は、毎年度の予算の定めるところにより、「エネルギー対策特別会計」に繰り入れられて、燃料安定供給対策(石油開発、備蓄など)、エネルギー需給構造高度化対策の財源にあてられている。
[林 正寿]