石狩郡
いしかりぐん
明治二年（一八六九）八月一五日に設置された石狩国の郡で、「イシカリ」の訓が付されている（公文録）。イシカリ場所（イシカリ十三場所）の領域の一部を継承、現在の石狩市・当別町・新篠津村の地域にあたる。成立時は石狩国の西端部に位置し、北は浜益郡と厚田郡、東は樺戸郡、南は札幌郡、西は厚田郡と後志国小樽郡と日本海。石狩川の河口部沿岸で南部は沖積平野地であるが、北部は山林地帯となる。
明治二年八月二〇日に兵部省の管轄となるが（新北海道史年表）、同三年四月に開拓使へ返還され石狩出張所を石狩（現石狩市）に開設（同七年厚田出張所を合併）。同八年二月に民事局派出詰所（現同上）を設置し、同九年四月に石狩分署と改称（「事業報告」第一編）。同一一年に石狩外七郡郡役所の親船町（現石狩市）設置が発布されたが、同一三年三月に船場町（現同上）で開庁した（石狩町沿革誌）。郡内の村の設置は、明治四年三月に開拓使による岩手県岩手郡、宮城県宮城郡からの官募移民が入植、五月に前者は花畔村（現石狩市）、後者は生振村（現同上）を設置、同五年八月に旧仙台藩岩出山要害（現宮城県岩出山町）の館主伊達邦直主従が移住して当別村（現当別町）が設置された（「事業報告」第一編）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
