新篠津(読み)しんしのつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新篠津」の意味・わかりやすい解説

新篠津(村)
しんしのつ

北海道中西部、石狩振興局管内の村。石狩川右岸にある純農村。1896年(明治29)篠津村(現、江別市域)から分村、1915年(大正4)村制施行。かつては石狩川やその支流氾濫(はんらん)による泥炭地の原野であったが、第二次世界大戦後、大規模な運河によって灌排水(かんはいすい)と客土を施す土地改良が行われ、安定した米作地となった。しかし国の農政転換により稲作面積の50%以上が転作、米を主としつつも野菜、花卉(かき)などに多様化している。日本酒、みそなどの醸造業がある。村は25ヘクタールを一区画にした典型的植民地区画による散村で、要所防風林を配している。交通は岩見沢市との関係が深い。面積78.04平方キロメートル、人口3044(2020)。

[奈良部理]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「新篠津」の意味・わかりやすい解説

新篠津[村] (しんしのつ)

北海道中央部,石狩支庁石狩郡の村。人口3515(2010)。村の大部分は南流する石狩川西岸の原野にあって,低湿地泥炭地が多く,常にはんらんや冠水を繰り返してきたため,永らく粗放的な草地や放牧地として利用されてきた。1955年から世界銀行の融資をうけ,この原野の排水,客土,道路建設の事業が進められた結果,現在では村域の2/3近い約50km2水田という農村に生まれ変わった。土地割りはアメリカ合衆国のタウンシップ制に基づいて,500m四方の方形の土地が規則正しく配列されている。農業就業者が全就業者の63%(1990)を占める純農村で,生産は水稲のほか大豆,アズキタマネギテンサイの収穫量が多く,近年は花卉栽培も行われる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android