硝化菌と呼ばれる一群の細菌によって,アンモニウムイオンNH4⁺が亜硝酸イオンNO2⁻を経由して硝酸イオンNO3⁻に酸化される反応をいう。畑に施用された硫安(NH4)2SO4などのアンモニア態窒素も硝化され硝酸態窒素に変わる。この反応には酸素が必要なので,水田では水によって空気の侵入が妨げられているために硝化作用が生じにくく,土壌のごく表面の層で生ずるだけである。畑では空気から酸素が供給されやすいので硝化作用は一般に盛んである。畑の作物にはアンモニアより硝酸を好むものがあるので好都合な面もあるが,硝酸イオンは雨水に流され,土壌から流亡しやすくなるという不都合な面もある。水田では表層で形成された硝酸イオンが下層に浸透すると脱窒により揮散消失する。このようにアンモニア態窒素が消化されると流亡・揮散しやすくなるので,硝化を抑制する目的で,チオ尿素のような硝化抑制剤が作られている。
硝化作用は水分が適当で空気の流入がよくpHが6以上の土壌で,温度が30℃前後のとき盛んになる。pH5以下の土壌では硝化作用は著しく阻害され,pH4.5以下では硝化菌は死滅する。逆にpHが高すぎると有毒な亜硝酸が集積する。
執筆者:茅野 充男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…畑土壌ではアンモニアは亜硝酸菌,硝酸菌の働きで硝酸に変わる。これを硝化作用というが,水田土壌では硝化作用は酸化的な土壌表層でのみ生じ,嫌気的な下層では硝酸が脱窒菌の働きで窒素ガスとなって脱窒揮散する。このため水田には硝酸態窒素肥料は施用しないし,アンモニア肥料もなるべく硝化しないよう土壌全層に施与する。…
※「硝化作用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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