硝酸セルロース(読み)しょうさんセルロース

大辞林 第三版の解説

しょうさんセルロース【硝酸セルロース】

セルロースの硝酸エステル。セルロースを混酸で処理してつくる。窒素量による硝化度の相違により性質が異なり、硝化度の多いものは綿火薬として用い、少ないものはフィルム・塗料・セルロイドなどの原料とされるが、いずれもきわめて燃えやすい。硝酸繊維素。硝化綿。ニトロセルロース。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

化学辞典 第2版の解説

硝酸セルロース
ショウサンセルロース
cellulose nitrate

ニトロセルロースともいう.セルロースヒドロキシ基硝酸エステルにかえた化合物のことで,硝酸繊維素ともよばれる.工業的には,精製乾燥したセルロースに硝酸硫酸,水の3成分からなる混酸を作用させて合成する.反応条件によってエステル化度(硝化度)に種々の高低を生じる.硝化度の高いものは,おおむね [C6H7O5(NO2)3]n に該当し(窒素12.5~13.5%),エタノールやエーテルには溶けないが,アセトン,酢酸ペンチルに溶解する.これは綿火薬とよばれ,工業的にきわめて重要である.乾燥状態で爆発しやすいが,水分を含むと爆発性がなくなるので,運搬や貯蔵の際には20% 以上の水分を含ませておくのが普通である.窒素の含有量が比較的少ない(窒素10.5~12.3%)ものは,エーテルとアルコールの混液またはエタノールに溶け,セルロイド,ラッカーなどのほか,コロジオンとして密閉剤にも用いられる.[CAS 9004-70-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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