化学辞典 第2版 「硫酸水素ナトリウム」の解説
硫酸水素ナトリウム
リュウサンスイソナトリウム
sodium hydrogensulfate
NaHSO4(120.06).冷やした硫酸ナトリウム水溶液に濃硫酸を徐々に加え,放冷すると一水和物が得られる.また,塩化ナトリウムに濃硫酸を加え,加熱融解すると無水物が得られる.無水物は無色の結晶.密度2.74 g cm-3.融点185.7 ℃.320 ℃ で水を失って二硫酸ナトリウムとなり,さらに加熱するとSO3を放って硫酸ナトリウムとなる.水溶液は強酸性を示す.水に易溶.一水和物は無色の結晶.密度2.10 g cm-3.融点58.5 ℃.潮解性で,難溶性塩と溶融すると可溶性硫酸塩を生じるので,鉱物や難溶性塩の分析用融剤,白金器具の洗浄に用いられる.また,飲料水の消毒,セメント,香料,れんが,にかわの製造,金属の表面処理剤,pH 調整剤,せっけん,製紙業にも用いられる.[CAS 7681-38-1:NaHSO4][CAS 10034-88-5:NaHSO4・H2O]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報