磁界の力によって物体を浮上させること。一般に磁気浮上として実用化されているものは、磁気吸引力を利用している。磁気吸引力は距離の2乗に反比例するので、浮上体との距離が一定になるように磁気力を制御する。そのため、電磁石に流れる電流を精密に制御する必要がある。磁気浮上システムは、鉛直方向に磁気吸引力で浮上力が生じるような構造となっている。なお、同極の磁石により発生する磁気反発力では安定して磁気浮上しないという、サミュエル・アーンショーSamuel Earnshaw(1805―1888)による「アーンショーの定理」が知られている。
このほか、超伝導体はマイスナー効果により「完全反磁性体」(透磁率がゼロ)となる。そのため、外部からの磁場が内部に侵入できないので浮上する。この浮上はピン止め効果とよばれており、安定に静止する。
磁気浮上式鉄道(マグレブ=Maglev:magnetically levitated vehicleとよばれることがある)や超伝導磁気軸受では超伝導を使っているが、これはマイスナー効果を利用したものではなく、強磁場をつくるため大電流を流す電磁石を実現するためである。
[森本雅之]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新