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超伝導体を磁場の中においても超伝導体の内部には磁場が入らないという現象。これは超伝導体が,磁性の分類でいうと完全反磁性を示すことを意味している。1933年にドイツのマイスナーFritz Walther Meissner(1882-1974)とR.オクセンフェルトによって発見され,定性的な説明は35年ロンドン兄弟によって,また微視的な説明は57年J.バーディーン,L.クーパー,J.R.シュリーファーによって与えられた。超伝導をになう電子対の波動関数が磁場に対して変化しにくいことに基づいて生ずる現象で,磁場を排除しているのは超伝導体の表面の数百~数千Åのところを流れ続ける超伝導電流である。完全導体(無限大の電気伝導度をもつ理想的な導体)に磁場をかけると,やはり磁場は中に入らないが,磁場をかけておいてから完全導体にした場合,磁場は中に残る。超伝導体では,磁場中で冷却して超伝導状態にしても,磁場は外に排除されるので,完全導体と超伝導体は本質的に異なる。
→超伝導
執筆者:小林 俊一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
超伝導体に臨界磁場未満の磁場をかけておき、徐々に温度を下げて超伝導相転移温度になったときに超伝導体内の磁場が超伝導体外に排除される現象。マイスナーWalther Meissner(1882―1974)とオクセンフェルトRobert Ochsenfeld(1901―1993)により1933年に発見され、マイスナー‐オクセンフェルト効果または完全反磁性ともよばれる。超伝導体であるためには、電気抵抗がゼロである(完全導電性)とともに、このマイスナー効果が必要条件とされる。
外部磁場がない状態で物質を冷却して超伝導状態になってから、外部磁場を加えると内部磁場は電磁誘導により外部磁場を打ち消すようになり、超伝導体内には磁場がない状態になる。しかしマイスナー効果は外部磁場の変化がなくても生じるため、電磁誘導では説明のつかない超伝導特有の現象である。
[山本将史 2022年7月21日]
超伝導体に磁場を作用させたとき,臨界値以下の低磁場では,磁力線は超伝導体内部には入れず,内部は磁束密度が0の完全反磁性状態になる.これをマイスナー効果という.1933年にW. MeissnerとR. Ochsenfeldにより発見されたので,マイスナー-オクセンフェルト効果ともいう.マイスナー効果は電気抵抗ゼロとともに超伝導体を特徴づける重要な性質である.超伝導体に上部から磁石を近づけると,磁力線は超伝導体には入れないので超伝導体表面に平行に密集する.その結果,マクスウェルの応力が磁石にはたらき磁気浮上という現象が起こる.近年,この反発力の輸送機関への利用が注目されている.
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…超伝導体が原子よりもはるかに大きく,また電子の数が多いため,この反磁性はきわめて強いものになり,外から磁場をかけても超伝導体の中には磁場はまったく入ることができない。これをマイスナー効果といい,このような磁気的性質を完全反磁性と呼ぶ。このとき磁場を超伝導体の内部から押し出して支えているのは表面近くに生ずる電流(反磁性電流)であり,したがって,磁場をかけている間この電流は減衰することなく流れ続けていなければならない。…
※「マイスナー効果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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