磁気遮蔽(読み)ジキシャヘイ

デジタル大辞泉 「磁気遮蔽」の意味・読み・例文・類語

じき‐しゃへい【磁気遮蔽】

外部磁界影響を減少させるために、強磁性体の筒などで囲むこと。計測器や電子装置使用

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「磁気遮蔽」の意味・わかりやすい解説

磁気遮蔽
じきしゃへい

比透磁率μSの大きい強磁性体で囲むと、外の静磁界は磁性体内の空洞にはほとんど入らない。この現象磁気遮蔽(または磁気シールド)という。均一な磁界H0の中に内半径a、外半径bの中空鉄球殻を置けば、内部の磁界Hは、

となる。磁束は、ほとんど強磁性体の表皮に集中して、容器の中空部分に入り込まない。これは、強磁性体の表皮における効果なので、壁の厚い容器よりも薄い容器を、間隔を離して二重にして用いたほうが有効である。また高周波なら導体の容器を用いれば、渦電流のために完全な磁気遮蔽が行える。

[安岡弘志]

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化学辞典 第2版 「磁気遮蔽」の解説

磁気しゃへい
ジキシャヘイ
magnetic shielding

磁場中の強磁性体には磁束が集中して通る.この性質を利用すると,装置のまわりを鉄やパーマロイのような強磁性体で囲めば,外部からの磁束はこの磁性体中を通りその内部にはあまり入らないので,外部磁場の装置に対する影響を避けることができる.これを磁気しゃへいという.また高周波磁場の場合は,導体で覆うことによって,導体中に誘起される渦電流の効果で,やはり磁気しゃへいされる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の磁気遮蔽の言及

【遮蔽】より

… 電界からの遮へい(静電遮へい)には導体の網で包み,網を接地すればよい。磁界からの遮へい(磁気遮へい)には鉄板などの強磁性材料で包み,磁束が通り抜けないようにすればよいが,理想的な強磁性材料がないため,遮へい用材料を大量に使わないと十分な効果が得られない。変化する電流などによる電磁界からの遮へい(電磁遮へい)が工学上はもっとも重要で,抵抗の少ない導体で包み,接地するか基準電位の点に接続する。…

※「磁気遮蔽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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