示差走査熱量測定(読み)シサソウサネツリョウソクテイ

化学辞典 第2版 「示差走査熱量測定」の解説

示差走査熱量測定
シサソウサネツリョウソクテイ
differential scanning calorimetry

略称DSC.被測定物質と熱的に変化しない基準物質とが隣接した試料ホルダーを一定の速度で加熱し,被測定物質の熱変化を調べる方法.入力補償DSCと熱流束DSCの二つの方法がある.前者では,被測定物質直下に設置した補助ヒーターにより基準物質との間の温度差がなくなるように熱量を加え,温度に対する両物質間に加えた熱量の差を記録する.後者では,物質直下に大きな熱留となるヒートシンクを配置し,両物質間に生じる温度差を記録し,あらかじめ求めておく温度差と熱量の関係を用いることで,温度に対する両物質間に加えた熱量の差とする.どちらのDSC曲線も最終的には,横軸を温度,縦軸を対象物質に単位時間に流入する熱量dq/dtをとって表示する.DSCは転移エンタルピーの測定の一方法であるだけでなく,DTAのかわりに単に熱分解などの熱変化の検出に使用される場合もある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「示差走査熱量測定」の解説

示差走査熱量測定

 試料の熱的特性を調べる方法の一つで,示差熱分析の改良法の一つ.調べる物質と基準物質を一定の条件で加熱もしくは冷却して二つの試料の間の温度差を0に保つのに必要なエネルギーを記録する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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