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祖心尼(読み)そしんに

朝日日本歴史人物事典 「祖心尼」の解説

祖心尼

没年:延宝3(1675)
生年:天正16(1588)
江戸前期,江戸城大奥の取り締まりに当たった禅尼豊臣秀吉の家臣伊勢国岩手城主牧村利貞の娘。名はのう。加賀国小松城主前田長種の子直知と結婚。離縁後,会津蒲生家の重臣町野幸和に再嫁。のち一家は江戸に出,縁者春日局を頼って祖心尼は大奥入りをする。将軍家光や大奥の女中に禅の講話をし,家光に信頼され,春日局の没後は,その後任的存在となり,大老酒井讃岐守忠勝に比して「奥讃岐」と呼ばれるほどの勢力を持った。家光没後,済松寺(東京都新宿区)を開基。家光の側室お振の方は,祖心尼の娘たあの子で祖心尼の養女である。<著作>『挙一明三』,『祖心尼法語』(『近世仏教集説』)

(柴桂子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「祖心尼」の解説

祖心尼 そしんに

1588-1675 江戸時代前期の女性。
天正(てんしょう)16年生まれ。京都で臨済(りんざい)宗をまなぶ。陸奥(むつ)会津(あいづ)藩家老町野幸和(ゆきかず)と再婚。のち江戸に出て義理の叔母春日局(かすがのつぼね)をたよる。大奥にはいり,春日局没後は取り締まりとして勢力をふるった。江戸済松寺の開基。延宝3年3月11日死去。88歳。本姓は牧村。名はのう。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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