…本来は信仰・祭祀にかかわるいっさいの遺跡を総称すべきであるが,日本考古学では,遺構の状況や遺物の性質から,その場あるいはその近くで祭祀が行われたと判断される遺跡,遺構を祭祀遺跡,祭祀遺構と呼び,寺院など恒久的施設の遺跡は別に扱う。またヨーロッパ考古学では,祭祀にかかわる遺物が一括して多量に見いだされる遺跡は,むしろデポの一種としている。集落遺跡や生産遺跡,墓以外と判断される性格不明の遺跡を祭祀と関係づけて解釈するのは,世界の考古学に共通である。…
…神体として直接崇拝の対象とされる山をいう。山岳崇拝そのものは原始古代社会の宗教文化に共通するが,神体山の称は日本の神社祭祀や修験道などが歴史を通じて崇拝や信仰の対象としてきた各地の名山高岳を改めて共通に表現する言葉として近代に使われるようになった。神体という語は平安中期に成立したが,山を神体とする表現は山崎闇斎の《垂加神道初重伝》を最初にして江戸中期に奈良県の三輪山をいうようになり,神体山の用語も1871年(明治4)に大神(おおみわ)神社が奈良県あての口上書に三輪山を指して使ったのが最初とされる。…
※「神奈備山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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