思春期の女子に好発する,極度の不食と高度のやせとを主徴とする病気。神経性食思不振症,青春期やせ症,拒食症などともいわれる。この病気はイギリスのモートンR.Mortonにより1689年にはじめて記載され,1873年にガルW.W.Gullにより命名された。近年は世界的に増加傾向があるとされる。摂食行動の異常としては,不食のほかに盗み食い,激しい過食などもみられ,また意図的な嘔吐,下剤乱用もある。身体症状としては,やせ以外に無月経がほとんど必発する。また,精神的には打ちとけなくなり,反抗的となったり,あるいは非常に依存的でわがままとなる。この病気の基本的な心理としては,女性として成熟することへの嫌悪感とともに,肥満嫌悪と身体像の障害(自分が太っていると思いこむ)があり,そのために頑固なやせ願望がある。このような心理の背後には,やせを賛美する社会的圧力や,成育期の母子関係のひずみがあるとされる。
執筆者:野上 芳美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…もう一つの内因性精神病である躁鬱病も分裂病ほどではないがこの時期に初発することがまれでない。精神病ではないが,神経性無食欲症は女子の青年前期にもっとも多く発病し,またの名を〈思春期やせ症〉という。対人恐怖症という神経症も青年前期にはじまることが多い。…
…この時期の月経困難症は排卵を伴う証拠なので,鎮痛剤を服用するくらいで心配はない。月経(6)神経性食思不振症 やせたいために食事を制限しているうちにまったくの拒食となり,極度にやせる病気で,女子に多く無月経となる。幼時に自閉症や登校拒否などのあった子どもに多く,一種の成熟拒否症と考えられている。…
※「神経性無食欲症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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