日本歴史地名大系 「福島街道」の解説 福島街道ふくしまかいどう 福島県:総論福島街道土湯(つちゆ)(現福島市)経由の福島街道は、「新編会津風土記」では二本松街道の猪苗代(現猪苗代町)で分岐し、酸川野(すかわの)・木地小屋(きじごや)(現同上)、土湯峠経由で福島に至る道とする。「会津風土記」では若松から大寺(おおてら)(現磐梯町)・猪苗代・酸川野・木地小屋の四駅をあげる。文化元年(一八〇四)の酸川野村明細帳(土湯村近世文書)では「当村者土湯街道駅所にて御高札有之候、下十五日は当所、上十五日は木地小屋にて当番相勤候」とある。この村明細帳の土湯街道は猪苗代から土湯までなのか、信夫(しのぶ)郡(現福島市)の村々が会津藩預であった時の代官陣屋所在地の大森(おおもり)(現同上)までなのか定かでない。信夫郡の須(す)川の南の村の道標で土湯または土湯道とあるのは土湯温泉までの道で、これを近代には土湯街道とよんだ。「日本地誌提要」では「福島ヨリ若松路」の次に「同土湯路」として、福島・上鳥渡(かみとりわた)・土湯(現福島市)、横向(よこむき)・酸川野・猪苗代(現猪苗代町)をあげている。これは「信夫郡村誌」の会津街道にあたる。会津でいう福島街道は、会津と信夫郡・伊達地方とをつなぐ道として古くから利用されてきた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by