福智山(読み)ふくちやま

日本歴史地名大系 「福智山」の解説

福智山
ふくちやま

北の北九州市八幡東やはたひがし区の皿倉さらくら山から南の香春かわら岳に及ぶ福智山地の主峰。標高九〇〇・八メートル。北九州市小倉南区・直方のおがた市・赤池町の境界にそびえる。北九州国定公園のうちで、山頂には南側に小倉藩が祀った福智神社(福智上宮神社)、西側に筑前福岡藩が祀った福地ふくち(鳥野神社)がある。福智神社に保食神・伊弉諾命・大己貴命を祀る信仰の山で、現在は山麓の赤池町上野あがのの字福智山に福智中宮ふくちちゆうぐう神社(旧郷社)、字宮の下みやのした福智下宮ふくちげぐう神社もある。慶応三年(一八六七)の福智宮縁起并旧記写(早川家文書)によると、弘文天皇元年(六七二)に大宰帥栗隈王および教順法師が三座を福智山上に奉祭した山岳崇拝に始まる。「太宰管内志」は「豊鐘善鳴録」五巻を引用し、釈教順は上野庄の人で、彦山法蓮の高弟、白鳳壬申(弘文天皇元年)一月三日に福智権現を開き、大陸からの帰朝の途にあった修験道の開祖役小角と相識の如しと伝えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典・日本の観光資源 「福智山」の解説

福智山

(福岡県北九州市小倉南区・直方市・田川郡福智町)
福岡県文化百選 名勝・景観編指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の福智山の言及

【直方[市]】より

…近年は産炭地域振興のため造成した中泉・明神池両工業団地を中心に電気機器,金属,機械その他約60企業が立地して内陸工業地域に変貌し,また北九州市への通勤圏として住宅地化も進み,70年代から80年代にかけて人口も増加した。北九州国定公園に含まれる景勝の福智山(901m),1046年(永承1)に築かれた山城の鷹取(たかとり)城跡,尺岳の竜王峡などがあり,石炭記念館や鷹取山山麓の永満寺,および頓野内ヶ磯の高取焼窯跡がある。直方駅裏の多賀神社の祭礼には,江戸初期に大坂から伝わった《思案橋》をもとにしたという手踊の日若踊が奉納される。…

※「福智山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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