移心(読み)うつしごころ

精選版 日本国語大辞典 「移心」の意味・読み・例文・類語

うつし‐ごころ【移心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 特に男女の間の愛情について ) 移り気。心変わり。
    1. [初出の実例]「言痛(こちた)くはかもかもせむを石代(いはしろ)野辺の下草我し刈りてば 一云、紅の写心(うつしごころ)や妹に逢はざらむ」(出典万葉集(8C後)七・一三四三)
  3. 人の上に移った心。恋い慕う心。
    1. [初出の実例]「姫君にうつし心のやるせなく、むねときめけどいかにとも、ことばをかくべきよすがなく」(出典:浄瑠璃・暦(1685)一)

うつり‐ごころ【移心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うつりぎ(移気)
    1. [初出の実例]「奇特(きどく)の事也といふほどに、うつり心なる都の諸人ばら」(出典:仮名草子・かなめいし(1663)中)
  3. 対象に心が引かれること。または、その心。思慕、恋慕の情。
    1. [初出の実例]「うつり心の一筋に露と消えんなどいへる、浅はかなる心とは見へず」(出典:俳諧・文化句帖‐元年(1804)九月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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