稲富一夢(読み)いなとみいちむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「稲富一夢」の意味・わかりやすい解説

稲富一夢
いなとみいちむ
(1551―1611)

和流砲術の代表的流儀稲富流の祖。丹後(たんご)国与謝(よさ)郡忌木(いみき)(京都府与謝野町)の城主、玄蕃允直秀(げんばのすけなおひで)の子。名は直家(なおいえ)、祐直(すけなお)、伊賀守(いがのかみ)を称し、入道して一夢、理斎(りさい)と号した。

[渡邉一郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「稲富一夢」の解説

稲富一夢 いなとみ-いちむ

1552-1611 織豊-江戸時代前期の砲術家
天文(てんぶん)21年生まれ。丹後(京都府)忌木(いみき)城主稲富直秀の子。祖父直時から砲術をまなび,稲富流の砲術をひらく。一色(いっしき)氏に,のち細川忠興(ただおき)につかえる。関ケ原の戦いの際,忠興の妻ガラシャの自害に殉じず忠興の怒りをかうが徳川家康にすくわれる。国友鍛冶(くにともかじ)集団を組織した。慶長16年2月6日死去。60歳。名は直家(なおいえ),のち祐直(すけなお)。姓は「いなどめ」ともよむ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稲富一夢」の意味・わかりやすい解説

稲富一夢
いなとみいちむ

[生]?
[没]慶長16(1611).2.6. 駿府
安土桃山~江戸時代初期の砲術家。稲富流砲術の祖。名は直家,のち祐直と称し,理斎,入道して一夢斎と号した。丹後忌木 (いみき) 城主直秀の嫡子。一色氏,細川氏仕えたが,慶長5 (1600) 年細川ガラシャ (忠興夫人) の自刃の際,退去して忠興の怒りを買った。のち許されて徳川家康に仕え,さらに尾張徳川氏に仕えた。

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