積田神社(読み)つみたじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「積田神社」の意味・読み・例文・類語

つみた‐じんじゃ【積田神社】

  1. ( 「つむたじんじゃ」「せきたじんじゃ」とも ) 三重県名張市夏見にある神社。旧県社。祭神は武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主(ふつぬし)神、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、姫大神。神護景雲元年(七六七)武甕槌命が鹿島神宮から奈良春日大社に遷幸途中鎮座した遺跡と伝えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「積田神社」の解説

積田神社
せきだじんじや

[現在地名]名張市夏見

青蓮寺しようれんじ川と比奈知ひなち川が合流する中川原なかがわらに鎮座する。旧県社。いまセキダと通称するが本来はツムタである。薦生の中山こもおのなかやま神社とともに春日神遷幸の旧跡地とされ、「春日社記」によれば、武甕槌神が「神護景雲元年六月廿一日伊賀国名張郡夏見郷一瀬河爾弖御沐浴、以鞭為験立給成樹付」とあり、同趣旨のことが「神明鏡」「二十二社註式」「延喜式神名帳頭注」「諸社根元記」「後鳥羽院御巡礼記」などの諸書にもみえる。別本の春日社記(神宮文庫本、春日大社元社家大東延慶伝来本)・春日古社記(春日大社旧禰宜蔵「春日先規録」所引)・「寺社元要記」は春日大神の御成があった故実により「御成宮」または「宇成宮」とも号すると記し、これが当社に比定される。しかしこの伝承平尾の宇流富志祢ひらおのうるふしね神社の由来とも説かれている。両社はともに武甕槌命ほか春日三神を祀り、約一〇町ほど距てた近距離にあり、河川に近接する立地条件も近似するため、どちらが本来の春日神遷幸地か、議論の分れるところである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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