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空間主義 くうかんしゅぎspazialismo(伊)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

空間主義
くうかんしゅぎ
spazialismo(伊)

L.フォンタナの提唱により,第2次大戦後のミラノを中心に展開された芸術運動。スパツィアリスモともいう。従来の芸術観を破棄し,工業社会の技術を積極的に取り入れながら,音響,運動,色彩の総和から時間と空間の融和した4次元空間を表現しようとした。フォンタナは 1946年ブエノスアイレスで4次元空間表現に関する「白の宣言」を発表。 47年にミラノに戻り第1次空間宣言を発表,R.クリッパ,C.ペヴェレック,G.ドーヴァらがこれに応じて正式に空間主義運動が開始された。以後,環境芸術の原型となるような活動を展開した。特に 49年ナヴィリオ画廊での「黒の環境」展は有名である。また「空間の概念」の総称で発表されたフォンタナの,カンバスに小石やガラスを張り付けたり,ナイフで裂け目を入れたりした作品はよく知られている。

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世界大百科事典 第2版の解説

くうかんしゅぎ【空間主義】

Spazialismoの訳。1947年にミラノでL.フォンタナが始めた前衛的な芸術運動。何かが見えるところには,どこにでも空間が存在するという原理から出発し,例えばナイフでカンバスを切り裂き,そのカンバスを通して真の無限の空間を示そうとした。彼が唱えた〈空間概念〉は,こうして従来の絵画と彫刻の間の壁をとり払った。彼の考え方は50年代のヨーロッパ美術に現れたアンフォルメル運動の大きな流れと共鳴しながら,空間主義運動に加わったG.ドーバ,A.ブリ,G.カポグロッシなど第2次大戦後のイタリアの前衛美術をになう若い芸術家に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典内の空間主義の言及

【フォンタナ】より

…イタリアの彫刻家,画家で空間主義の創始者。アルゼンチンに生まれ,若いころミラノとアルゼンチンを往復して主として彫刻や陶芸の実験的制作を行う。…

※「空間主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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