穿(読み)セン

精選版 日本国語大辞典 「穿」の意味・読み・例文・類語

うがち【穿】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うがつ(穿)」の連用形の名詞化 )
  2. 穴をあけること。貫き通すこと。
  3. 一般に気づかれていない裏の事情や細かい事実、世態人情などの複雑で微妙な点を指摘すること。また、その指摘されるような事柄
    1. [初出の実例]「たき川が三つ七宝の紋所をかへず、九重かかぶろの外に男の子をかかへておくことなどは、今でのうがちだ」(出典:洒落本・通言総籬(1787)一)
  4. 新奇で、凝ったことをすること。
    1. [初出の実例]「此里の穿(ウガチ)にて道具やと見せて引手茶屋」(出典洒落本・大通契語(1800))
  5. 遊女意地が強いこと。
    1. [初出の実例]「『うがちとは何じゃへ』『夫は女郎の張のつよいをうがちといふはいの』」(出典:歌舞伎・傾城天の羽衣(1753)四幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の穿の言及

【石碑】より

…暈には2~3本の虹形凹線を一方にかたよせて刻(ほ)る場合と,左右対象に刻る場合があり,ここを竜の浮彫で飾ることもある。円首,圭首ともに碑身の上部中央に円孔を貫通させ,これを穿(せん)とよぶ。穿の上部に碑の表題を篆書(てんしよ)で刻り,これを篆額,題額あるいは碑額という。…

※「穿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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