デジタル大辞泉
「穿鑿」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
せん‐さく【穿鑿】
- 〘 名詞 〙 ( 古くは「せんざく」とも )
- ① ( ━する ) 穴をうがち掘ること。掘削すること。ほじくること。せんじゃく。
- [初出の実例]「一於社頭東南有一阿伽井、是号独古玉井、和尚穿鑿之玉井、秘密加持之霊水也」(出典:観心寺文書‐承和四年(837)三月三日・観心寺縁起実録帳案)
- ② ( ━する ) 深く考えること。綿密に調査すること。吟味すること。詮議。
- [初出の実例]「此経首末全無二此旨一。閉レ眼穿鑿」(出典:日蓮遺文‐主師親御書(1255))
- 「そしてなぜ好きだか、厭だかと穿鑿して見ると」(出典:阿部一族(1913)〈森鴎外〉)
- ③ ( ━する ) さぐり求めること。根ほり葉ほり尋ねること。
- [初出の実例]「某六道の辻へ罷出て、せんさくをいたし、ぢごくへせめおとさうと存る」(出典:虎明本狂言・餌差(室町末‐近世初))
- [その他の文献]〔論衡‐怪奇〕
- ④ ( ━する ) しいて付会すること。むやみに憶測すること。こじつけ。
- [初出の実例]「古史であるものを我等が穿鑿を加たらば〈略〉心得にくい処を心得様にするぞ」(出典:史記抄(1477)三)
- [その他の文献]〔漢書‐王吉伝〕
- ⑤ ( ━する ) とやかく言うこと。やかましく理屈を言うこと。
- [初出の実例]「其身に似あひにあはずと穿鑿するは」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)上)
- ⑥ 事の次第。物事の有様。なりゆき。仕儀。また、工夫。
- [初出の実例]「腹のへるをかなしみて火事の見舞にもはやくは歩まず、しはひせんさくにとしくれて」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)一)
- 「朝から晩迄女房のきげんとって、さりとては気のつまるせんさくなり」(出典:浮世草子・世間娘容気(1717)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 