立切る(読み)タテキル

デジタル大辞泉 「立切る」の意味・読み・例文・類語

たて‐き・る【立(て)切る/閉て切る】

[動ラ五(四)]
間に物を立てて仕切りをする。しきる。「ふすま大広間を―・る」
戸・障子などをすっかり閉ざす。しめきる。「障子を―・った部屋
考えや態度最後まで押し通す。立て通す。
「大方お前が聞ちがえと―・りて」〈一葉大つごもり
そのことにかかりきる。
内外の取片付けやら振舞いの用意に―・ってる際に」〈左千夫・告げびと〉

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精選版 日本国語大辞典 「立切る」の意味・読み・例文・類語

たて‐き・る【立切・閉切】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 間に物をおいて、あちらとこちらにしきる。しきりをする。へだてをする。くぎりをする。
    1. [初出の実例]「御几帳を奥の御障子より廂の柱まで隙もあらせずたてきりて」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月一日)
  3. 門、戸、障子、襖(ふすま)などをしめきる。すっかりとざす。
    1. [初出の実例]「障子を立切(タテキ)ると浪人あみ笠を取る」(出典:歌舞妓年代記(1811‐15)六)
  4. ( から転じて自動詞的に ) きっぱりとした態度や行動をとる。
    1. [初出の実例]「ごんぎゃうにも、をこたりなし、たてきりたる人なり」(出典:御伽草子・平野よみがへりの草紙(室町時代物語集所収)(室町中))
  5. ( から転じて自動詞的に ) そのことにかかりっきりになる。
    1. [初出の実例]「家中総掛りで内外の取片付けやら振舞ひの用意に立切ってる際に」(出典:告げびと(1908)〈伊藤左千夫〉)

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