立烏帽子(読み)タテエボシ

デジタル大辞泉 「立烏帽子」の意味・読み・例文・類語

たて‐えぼし【立×帽子】

頭部みねを高く立てたままにして折り曲げない烏帽子。たちえぼし。

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精選版 日本国語大辞典 「立烏帽子」の意味・読み・例文・類語

たて‐えぼし【立烏帽子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 頂辺の峰(みね)を高く立てたままで折らない烏帽子。たてえぼうし
    1. 立烏帽子<b>①</b>〈源氏物語絵巻〉
      立烏帽子源氏物語絵巻
    2. [初出の実例]「着白水干立烏帽子、融二行着座中」(出典吾妻鏡‐文治四年(1188)九月一四日)
  3. 強盗のこと。特に、鈴鹿山に住んでいたという山賊をさす。
    1. [初出の実例]「鈴鹿山の立烏帽子(タテエボシ)搦取て」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
  4. 紋所の名。をかたどったもの。
  5. 巫女の間で、主人、または男の子を直接いうのを忌んで用いる語。
    1. [初出の実例]「立烏帽子(タテヱボシ)どのが手習の下りぎはに、見つかって」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)二)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「立烏帽子」の解説

立烏帽子 (タテボシ)

動物。イシガイ科の貝

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の立烏帽子の言及

【烏帽子】より

…さらには紙で張り固めて形をつくるようになり,ここに種々の烏帽子の形式が生ずることになった。
[形式と種類]
 (1)立烏帽子(たてえぼし) 烏帽子本来の形で扁平筒状であるが,その形によって長烏帽子,細烏帽子などがある。立烏帽子をかぶったとき,前をちょっとへこましたのが一般的な立烏帽子の形として形式化し,室町時代以後にはその部分に種々の名称がつき,その折り方によって着用者の身分を異にするようにもなった。…

【坂上田村麻呂】より

…俊仁が陸奥国はつせ郡田村郷で賤女と契って生まれた子が田村丸で,元服していなせ五郎阪上俊宗といい,大和国奈良坂のりやうせんという化生の者を討ち,鈴鹿御前と契り,その手引きで鈴鹿山の鬼神大武丸(おおだけまる)を退治するという物語である。御伽草子《立烏帽子(たてえぼし)》は,阪上田村五郎利成が鈴鹿山の化生の女盗立烏帽子の手引きで,その夫阿黒王(あぐろおう)を退治したとする。《田村》と同工の物語に奥浄瑠璃《三代田村》があり,地名などに地方色が濃く出ている。…

※「立烏帽子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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