朝日日本歴史人物事典 「竜泉冷淬」の解説
竜泉冷淬
生年:生年不詳
南北朝時代の臨済宗の僧。「りょうせん・りょうずい」ともいう。後醍醐天皇の皇子といわれ,尾張(愛知県)海東郡に生まれる。幼くして虎関師錬に参じ,その法を嗣いだ。つねに虎関に随侍,最も忠実な門弟といわれる。山城(京都府)三聖寺の住持を経て,延文5/正平15(1360)年には筑前(福岡県)承天寺の第25世となる。この年,竜泉の尽力によって,虎関の著した『元亨釈書』が大蔵経に納められた。貞治3/正平19(1364)年には京都万寿寺に昇住,翌年退いて東福寺海蔵院に閑居した。詩文集『松山集』の草稿本(重文)が東福寺霊源院に現存する。<著作>『松山集』『海蔵和尚紀年録』
(石井清純)
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