競争反応(読み)きょうそうはんのう(英語表記)competitive reaction

日本大百科全書(ニッポニカ) 「競争反応」の意味・わかりやすい解説

競争反応
きょうそうはんのう
competitive reaction

ある試剤に対する各種の化合物間の反応性を比較するために、2種またはそれ以上の種類の化合物の混合物をある試剤と反応させる方法。これらの化合物が部分的に反応する程度で反応を停止し、それぞれの化合物の反応量を分析することによって、それらの相対的な反応性を求めることができる。たとえば、ベンゼントルエンの混合物をニトロ化し、生成するニトロベンゼンおよび2-、3-、および4-ニトロトルエンを分析し、ベンゼンの1個の炭素、トルエンのオルトメタおよびパラ位の各炭素原子1個当りの相対反応性が得られる。競争反応は反応の定量的解析のために一つの有効な手段である。

[徳丸克己]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「競争反応」の解説

競争反応
キョウソウハンノウ
competitive reaction

一つの化学反応系において,ある分子種(分子遊離基など)Aが同時にほか同種または異種の二つの分子種B,Cと化学反応を行うとき,両反応を競争反応という.たとえば,H2 と Br2 の結合反応における

     H + Br2 → HBr + Br

     H + HBr → H2 + Br

など.両者反応速度が比較できる程度であるとき,その実験条件(B,Cの濃度)で両反応は互いに競争できるという.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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