競合・糶合(読み)せりあう

精選版 日本国語大辞典 「競合・糶合」の意味・読み・例文・類語

せり‐あ・う ‥あふ【競合・糶合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 互いに競争する。先をあらそう。きそいあう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
明暗(1916)〈夏目漱石〉一四七「競(セ)り合(ア)はない前に、彼女は既に勝ってゐた」
② あらそう。小ぜりあいをする。また、たたかう。
※三河物語(1626頃)二「西尾之城と日々夜々にせりあいければ」
浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)三「はなせ本蔵放しやれとせり合内、〈略〉家中の諸武士大名小名、押へて刀もぎ取やら」
③ 言い争う。口論をする。口喧嘩をする。
※浮世草子・新色五巻書(1698)三「声高々とせりあいけるにぞ」
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)六「其口が猶憎いと、せり合中へ〈略〉女房共今戻った」
せり売りで、買い手が品物の価格を競う。
※興津彌五右衛門の遺書(1913)〈森鴎外〉「某も同じ本木に望を掛け互にせり合ひ、次第に値段を附上げ候」

せり‐あい ‥あひ【競合・糶合】

〘名〙
① せりあうこと。互いに競争すること。先をあらそうこと。
※浮世草子・新色五巻書(1698)三「惣十郎が手にすがりて我がちのせり合」
戦場で、敵味方両軍が入り乱れて戦うこと。伯仲して争うこと。接近したいくさ。せりあいいくさ。〔いろは字(1559)〕
論争。口喧嘩。また、小ぜりあい。
※細川忠興文書‐寛永六年(1629)一二月八日「御譲位之事に付、公家衆板倉、毎日せりあいの由候事」
※和英語林集成(再版)(1872)「ヨメ シュウトメノ seriai(セリアイ)
④ せり売りで、買い手が品物の値を競うこと。→せりうり(競売)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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