笈摺(読み)オイズリ

デジタル大辞泉 「笈摺」の意味・読み・例文・類語

おい‐ずり〔おひ‐〕【××摺】

巡礼などが笈を負うとき、衣服の背が擦れるのを防ぐために着るひとえの袖なし。おいずる。

おい‐ずる〔おひ‐〕【××摺】

おいずり(笈摺)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「笈摺」の意味・読み・例文・類語

おい‐ずりおひ‥【笈摺】

  1. 〘 名詞 〙 巡礼などが、着物の上に着る単(ひとえ)の袖なし。羽織に似たもの。笈(おい)で背が擦れるのを防ぐものという。左、右、中の三部分から成り、両親のある者は左右赤地中央白地、親のない者は左右が白地で中央に赤地の布を用いる。おゆずる。おいずる。
    1. 笈摺〈長生見度記〉
      笈摺〈長生見度記〉
    2. [初出の実例]「雪をいただきて、額に苦海(くかい)の波をたたへ、身には頸まで、をいづりをかけ」(出典御伽草子小町草紙(室町末))

おい‐ずるおひ‥【笈摺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おいずり(笈摺)
    1. [初出の実例]「しおれはてたるおいづるを、かくるわかしゅのあはれさに」(出典:虎明本狂言・蜘蛛(室町末‐近世初))
  3. おい(笈)
    1. [初出の実例]「うしろにおいつるまへにふだ、じゅんれいとさまをかへ」(出典:説経節・説経しんとく丸(1648)下)

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