笠取山(読み)カサトリヤマ

精選版 日本国語大辞典 「笠取山」の意味・読み・例文・類語

かさとり‐やま【笠取山】

  1. ( 「かさとりのやま」とも ) 京都府宇治市の北東部、醍醐山の南東方にある山。標高三七一メートル。紅葉の名所。歌枕。
    1. [初出の実例]「雨ふればかさとり山のもみぢばは行きかふ人の袖さへぞてる〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二六三)

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日本歴史地名大系 「笠取山」の解説

笠取山
かさとりやま

現宇治市の東北、標高三七〇・五メートルの山で、東西両笠取のほぼ中央に位置し、全山雑木に覆われる。古くは醍醐だいご・笠取山地の汎称で、次の歌のように醍醐(現京都市伏見区)を笠取山とよぶことも少なくない。

<資料は省略されています>

清滝きよたき宮は醍醐山上に祀られた醍醐寺の鎮守である。「京都府地誌」も西笠取村のところで「笠取山、本村所属山ノ総称ナリ」とし、固有の山名とは考えていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の笠取山の言及

【醍醐寺】より

…874年(貞観16)に聖宝(しようぼう)が創建。のちに上醍醐と呼ばれるようになった笠取山の山頂に,如意輪・准胝両観音を安置する堂宇を建てたことに始まるとされる。当時笠取山の西麓一帯に住みついていた宮道氏は,その娘が藤原高藤の妻となり,その間に生まれた胤子が醍醐天皇の母となったために,勢力を増した。…

※「笠取山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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