笠覆寺(読み)りゆうふくじ

日本歴史地名大系 「笠覆寺」の解説

笠覆寺
りゆうふくじ

[現在地名]南区笠寺町 上新町

天林山と号し、真言宗本尊十一面観音菩薩像。俗に笠寺観音ともいい、尾張四観音の一つ。笠寺縁起によれば、天平年中(七二九―七四九)(善)光が、浜に漂着した霊木に十一面観音を刻んで堂宇を建て小松寺と称した。のち荒廃し、仏像が雨露にさらされるのを嘆いたある女が自らの笠を像にかぶせた。その女が太政大臣藤原兼平の妻となり、兼平が数百町の田畑を寄進し寺を再興、これにより笠寺と称するようになったと伝える。しかし再び寺領が滅び、嘉禎四年(一二三八)祐福ゆうふく(現愛知郡東郷町)の僧阿願は、古寺の再建を領主念阿弥陀仏に願い、荒野三町余・水田一町二反の施入を受けた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「笠覆寺」の解説

笠覆寺

愛知県名古屋市南区にある真言宗の寺院。本尊は十一面観世音菩薩。「笠寺観音」とも呼ばれる。

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