改訂新版 世界大百科事典 「等質空間」の意味・わかりやすい解説
等質空間 (とうしつくうかん)
homogeneous space
群Gと集合Xがあって,Gの各元gとXの各元xに対しXの元が定められていて,これをgxと書くとき次の2条件が成り立つならば,群Gは集合X上に作用するといい,GをX上の変換群という。(1)Gの単位元eに対しex=x,(2)Gの2元g,g′の積gg′に対し(gg′)x=g(g′x)。さらに,Xのどんな2元x,x′をとってもx′=gxとなるようなGの元gが存在するならば,Gの作用は推移的であるという。集合Xに対しその上に推移的に作用する群Gが存在するとき,XはGを変換群とする等質空間であると呼ばれる。Xが位相空間のときは,このことばはさらにGが位相群で(g,x)をgxにうつすG×XからXへの写像は連続であることを要請して用いられる。例えばn次元球面Snはn+1次直交群O(n+1)を変換群とする等質空間である。
執筆者:中岡 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報