(読み)ス

デジタル大辞泉 「簀」の意味・読み・例文・類語

す【×簀】

割り竹・あしなどを粗く編んだもの。「巻き」「よしず

さく【×簀】

の子。す。
竹や木を編んで作った敷物。主に寝台の上に敷く。たかむしろ。

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精選版 日本国語大辞典 「簀」の意味・読み・例文・類語

す【簀・簾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 簀 ) 細板(ほそいた)割竹(わりだけ)、または葦などを併列して、糸で粗く編んだ敷物。むしろ。
    1. [初出の実例]「輿籠四脚。〈納供神物〉簀(す)四枚〈置供物料〉」(出典:延喜式(927)三二)
    2. 「さてこの男、簀子によびのぼせて、女どもはすのうへに集まりて」(出典:大和物語(947‐957頃)御巫本附載)
  3. すだれ。たれす。
    1. [初出の実例]「黒葛編簀陸拾枚 串簀伍枚」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747))
    2. 「男いたくめでてすのもとにあゆみきて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  4. 馬の尾の毛、または銅線(はりがね)のような細いもので、縦横に編んだもの。水こしに用いる。

さく【簀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 竹や木を編んで作った敷物。おもに寝台の上に敷く。箪(たかむしろ)。〔改正増補和英語林集成(1886)〕 〔礼記‐檀弓上〕
  3. 簀子(すのこ)。す。〔史記‐范雎伝〕

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普及版 字通 「簀」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] サク・サイ
[字訓] すのこ・す・ゆか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は責(せき)。責に積・績のように、細小なるものを連ね重ねる意がある。〔説文〕五上に「牀の棧なり」とあり、簀牀(さくしよう)をいう。〔礼記、檀弓上〕に、曾子が病篤いとき、その用いている臥牀が「にして(くわん)(美麗)たるは、大夫の簀(さく)か」と注意されて、簀を易(か)えて没した話がみえ、それで人の死を易簀(えきさく)という。また簀(す)の子の類をもいう。

[訓義]
1. すのこ、す、たかむしろ。
2. ゆか、とこの枕木
3. さけこし。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕簀 奴留止己(ぬるとこ) 〔和名抄〕簀 功式に云ふ、簀子、須乃古(すのこ) 〔立〕簀 スノコ・ス・イタシキ 〔字鏡集〕簀 スノコ・ス・ユカ・タケノコ・ツチイルルス

[語系]
簀tzhek、tzhieiは声義が近い。〔礼記、檀弓上〕「易簀」の注に「簀とは牀(しやうし)を謂ふなり」とあり、もまた牀簀をいう。〔方言、五〕に「牀~陳楚の、或いは之れをと謂ふ」とみえる。

[熟語]
簀牀簀竹
[下接語]
易簀・家簀・華簀・臥簀・玉簀・煮簀・破簀・敝簀

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【すだれ(簾)】より

…室内の仕切り,日よけなどに用いる。〈すだれ〉は簀垂(すだれ)であり,〈す(簀)〉は〈すきま〉から出た言葉でもとは敷物である。簀とみられる遺物は縄文時代からある。…

※「簀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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