翻訳|sleeper
レールを固定して軌間を一定に保持するとともに、レールから伝達される列車荷重を広く道床に分散させる働きをする軌道の構成部材。ただし、最近ではコンクリート製が多くなったため「まくらぎ」と表記することが多い。枕木にレールを固定する部材を総称してレール締結装置という。
枕木に要求されるおもな機能と条件は、〔1〕列車荷重を支え、これを広く分散して道床に伝えるための十分な強度、〔2〕レールの位置、とくに軌間を一定に保つための取り付けやすさと保持力、〔3〕軌道に座屈抵抗力を与えること、〔4〕量産が可能で価格が安く、どこででも入手できること、〔5〕長期の使用に耐える耐久力、などである。
枕木の分類方法には3種ある。〔1〕敷設方式によって分類すれば、横枕木、縦枕木、短枕木がある。〔2〕使用目的別では、並枕木、継目枕木、橋枕木、分岐枕木がある。〔3〕材料によって、木枕木、コンクリート枕木、特殊枕木の別がある。しかし、一般的には材料によって分類することが多い。
木枕木は昔からもっとも広く使われてきた。弾力があり、レールを犬釘(いぬくぎ)などで簡単に取り付けることができ、価格も安い。しかし、近年、木材資源の枯渇や、耐用年数が短く交換の手間がかかることから使用が減っている。
木枕木にかわって多く用いられているのがコンクリート枕木である。鉄筋コンクリート枕木(RC枕木)とプレストレストコンクリート枕木(PC枕木)があり、現在ではほとんどがPC枕木である。PC枕木は耐久性に優れ、重くて安定がよく道床抵抗力を確保しやすい。また、レールと枕木との間に十分な弾性をもつ軌道パッドを挟み、それに加えてフレール底部を上からばねで押さえ付ける二重弾性締結式のレール締結装置を使うことによって、軌道狂いの発生を抑制できる。
そのほか、鉄枕木や合成枕木などの特殊枕木があるが、あまり実用化されていないのが現状である。
[近藤明生]
『宮本俊光・渡辺偕年編『線路――軌道の設計管理』(1980・山海堂)』▽『菅原操編『図解鉄道保線・防災用語事典』(1980・山海堂)』▽『渡辺勇作著『土木施工法講座16 鉄道保線施工法』(1978・山海堂)』
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