柄の先に付けた骨角あるいは金属製の刺突具が固定されている狩猟・漁労具。魚杈とも書く。先端の突き刺す部分は,逆刺(かえり)をつけたり,幾本かの先の尖った棒を束ねて使うこともある。一般には投じて獲物を刺突するもの,あるいは先が三つ,五つに分かれたものを銛(もり)とするなどの分類がなされるが,考古学では刺突する部分が獲物に刺さると柄から離れるものを銛,柄に固定したものを〈やす〉と呼ぶ。旧石器時代後半には形の整ったものがつくられ,中石器時代以降には世界各地でみることができる。北ヨーロッパの北海周辺の中石器時代遺跡では多数のものがつくられているが,イギリスのスター・カー遺跡出土のものは,全長27cmになる長大なもので,アカジカの角でつくられ,多数の逆刺をもつ。日本の縄文時代前期の関東地方の例には,北ヨーロッパ出土の鋸歯状の逆刺をもつものによく似たものがある。金属製のものがつくられる以前は,鹿の中足骨,中手骨のような長く真直ぐな骨が材料となった。また逆刺が幾つもついたり,先がV字状に開くものには,鹿角や鯨骨などが用いられた。
→銛
執筆者:金子 浩昌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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